取り崩しの目的と規約の定めによって異なります。
標準管理規約を前提とすれば,計画的修繕や「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」に充てるための取り崩しは団地総会の決議事項とされており,棟総会の決議事項ではありません。したがって,棟総会の決議は不要です。
また「棟の共用部分の変更」や「その他棟の共用部分の管理に関し,その棟の区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理」に充てるための取り崩しについても同様です。
これに対し,区分所有建物が一部滅失した場合の復旧については,棟総会の決議事項とされており,棟総会決議が必要です。「一部滅失」という深刻な事態において,復旧するのか,建替えするのかの選択は,極めて重大であることに配慮したものといえます。なお,この決議は,滅失した部分が建物の価格の2分の1以下である場合には普通決議ですが,2分の1を超える場合には,区分所有者と議決権の各4分の3以上の特別多数で可決する必要があります。