規約にその旨の定めが無ければできません。
民法419条1項は、「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」と規定しています。この規定は、法定利率又は約定利率によって計算される遅延利息以外の損害賠償を認めない趣旨と理解されています。最高裁は、この規定を根拠に「債権者は、金銭債務の不履行による損害賠償として、債務者に対し弁護士費用その他の取立費用を請求することはできない」と判示しています(最判昭和48年10月11日裁判集民110号231頁)。
標準管理規約60条2項に「違約金としての」弁護士費用等について請求できる旨の規定が置かれているのは、損害賠償とは別個の違約金であることを明示することで上記法条を理由に請求不可とされることを回避しようとしたものです。
したがって、弁護士費用の請求をするためにはまずもって規約に「違約金として」請求できる旨の規定を置くことが先決です。そのようにしてもなお、裁判所によっては請求の全額を認めないことがあります。